基礎知識

仮想通貨(暗号資産)の歴史

仮想通貨ってなんなの?誰がなんのために作ったの?仮想通貨の仕組みは?どうして値段が上がるの?

今回はそういった疑問にお答えしていきます。

仮想通貨(暗号資産)の成り立ち

新しい金融の手段・方法としてSatoshi Nakamoto によって論文がネットに挙げられ、それを元にアメリカの技術者が開発したもの

それがブロックチェーン技術を用いた仮想通貨(暗号資産)の始まりです。

そして、そのブロックチェーン技術を利用して一番最初に作られた仮想通貨がBTC(ビットコイン)です。

BTCは2009年の開発当時1BTC=0.0025ドルでした。

実際にBTCが使用され金融としての意味を持ったのが2010年5月22日アメリカフロリダ州でプログラマーがピザ2枚(25ドル)を1万BTCで購入したのが始まりでした。

その日はBTCで商取引が成立した最初の日としてビットコイン・ピザ・デーと呼ばれています。

Satoshi Nakamotoの目指したものは中央集権からの脱却でした。

中央集権の支配から脱却し、自由に安定したお金のやり取りができるよう作られたものがブロックチェーン、そして仮想通貨でした。

ブロックチェーン(分散型台帳)とは

仮想通貨(暗号資産)を作るのに必要な技術がブロックチェーン(分散型台帳)と呼ばれるものです。

ブロックチェーンとは取引履歴を暗号技術によって過去から一本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持しようとする技術

 一般社団法人 全国銀行協会

一定期間の取引履歴をブロックの中に入れ、それをチェーン(鎖)で繋ぎ合わせたもの=ブロックチェーンです。

ブロックチェーンは管理者が管理している訳ではなく、みんなで管理・監視していくものであるため記録の改ざん、不正取引ができないといわれています。

管理者のいる中央集権型の取引は最悪誰かが不正をしようとしたら、できてしまうのでいかに画期的な技術かが分かると思います。

また、ブロックチェーンは時系列ごとにブロックがデータを作成しチェーンのように繋げていくので、正確な取引データを遡り辿ることができます。

分かりやすいもので例えると、購入した過去の美術品が本物であるかどうかは今の段階では、明らかな証拠がない限り断定はなかなか難しいと思います。

それがブロックチェーン技術を用いると誰がいつその美術品を作成し誰にいくらで売ったのか、それを買った誰かがまた誰かに転売した場合でもブロックチェーン上の記録に正確に、しかも改ざん、不正なく残るため製作者、誰の手を渡ってきたのかが正確に遡って分かるのです。

美術品や音楽、絵画などに利用されているブロックチェーン技術が最近話題のNFT(非代替性トークン)になります。

仮想通貨とは?

仮想通貨とは、ブロックチェーンを利用して作られたデジダル貨幣のことです。

2022年時点でおよそ15000種類の仮想通貨が作られており、ブロックチェーン技術を利用すれば誰でも作ることのできる貨幣です。

仮想通貨はその貨幣ごとに持っている特徴・性質が違います。設計されています。

例えば、ETH(イーサリアム)は、ブロックチェーン上にスマートコントラクトという機能を駆使して簡単に言えばハンコを押し、それが本物であると証明ができる特性を付与されています。

仮想通貨の市場価値が上がった理由

仮想通貨が注目を集めたのは、2013年に起こったキプロスの預金封鎖でした。

キプロスという国は観光資源が乏しくお金にあまりゆとりのない国でした。そのため海外のお金持ちや投資家からキプロスの銀行にお金を預けて入れてもらい税金を安くするという施策を取ることでお金を集めていました。ところが、ギリシャ危機の煽りを受け銀行が預金を封鎖、預金に対して課税したため、お金持ちや投資家、キプロスの国民はお金を下ろすことができなくなってしまいました。しかし、BTCを保有している者たちはそういったことに関係なくBTCを用いてお金のやり取りを行うことができました。そのためBTCが金融危機に強く、リスク回避になる資産であることが大きく知られ価値を高めていくことになりました。

BTCは何度かの下落と暴騰を繰り返し、2017年にはBTCの価値が金の最高値を抜き、年初の1BTC=900ドルから1BTC=19891.99ドル台まで上昇し当時BTCに投資をしていた方の多くの方が謂わゆる”億り人”となったのも有名な話です。

仮想通貨の現状

ブロックチェーン技術を用いてBTC以外にも今や多くの仮想通貨が作られています。その数は日夜増えており、2022年時点ではおよそ約15000種類

その内、国内で取引認可されているものは13種類です。

BTC以外のコインは全てアルトコインと呼ばれており、代表的なものでイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)などが挙げられます。

仮想通貨の値段は日々大きく変化しているため現状では投機的な投資先として用いられることが多いです。

仮想通貨の将来

仮想通貨は今後、普及していくと考えられます。

理由としては、今後アフリカやアジア、インドなどの発展途上国が世界のメインターゲットになっていくと考えられるからです。

以下のグラフを見てください。

図表2-2-2-1 世界人口の推計

(出典)国際連合World Urbanization Prospects:The 2011 Revisionを基に総務省作成

アフリカやインドは若年人口増加率が大きく、若年人口増加率の多い国は経済的にも大きく発展すると考えられています。

しかし、発展途上国の方が銀行口座を保有している割合は約54%で、発展途上国の半分の人が銀行口座を保有していない状況です。

つまり預金や送金などができないということです。

しかし、仮想通貨であれば、銀行口座はいらず、すぐに世界中の誰にでもすぐに仮想通貨を送ることができます。

また仮想通貨ならスマホ一台あれば使用できます。スマホの普及率は世界全体で100%以上。

つまり、理論的にはほとんどの方がスマホを保有していることとなります。

そのため、銀行口座を保有していない、できない数多くの発展途上国の人々が仮想通貨を利用していくことになるのではないかと思っています。

仮想通貨の課題

仮想通貨を法定通貨とする国も出てきていますが、物事はスムーズには進まないでしょう。

なぜなら、仮想通貨が主流となってしまっては困る既得権利を持っている企業・団体・国などは黙っていないからです。

国などは通貨の発行権利を唯一持ち流通総量を決め扱える大きな権利を持っていることで国の経済を支配し回していますが、

それが仮想通貨になってしまうとコントロールできない状況になってしまいます。それを国が簡単に許すとは思えません。

Facebookのマック・ザッカーバーグが(現・MetaのCEO)が独自の仮想通貨リブラを発行しようとしましたが断念したのもそういった経緯が一部あったからだと思われます。

しかし、過去の技術革新の歴史を見ていくと最初は懐疑的に見られていた技術も今では当たり前に使われています。

仮想通貨が今後、大きく発展し様々な事に利用されるようになっていくことは期待できると思います。

まとめ

まとめ

  • Satoshi Nakamotoの理念の元、アメリカの技術者によってブロックチェーン技術を駆使して作られたものが仮想通貨
  • 仮想通貨とはブロックチェーン技術を駆使したデジタル貨幣
  • 仮想通貨は金融危機に強く、リスク回避になる資産となる可能性がある
  • 仮想通貨は現状、投機的な投資先
  • 仮想通貨は発展途上国を中心に更に発展していく可能性がある
  • 中央集権(国・巨大企業・団体・銀行等)との競争は避けられない

今回は仮想通貨に関して解説しました。

仮想通貨について触れてみたい、実際に購入してみたいという方はこちらの記事を参照↓

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